みなさん、こんばんは。
金曜日には雪予想が出ています。
果たして、本当に降るのでしょうか?
降ってはもらいたくないものです。
でも、塩カルと、スコップと、長靴とが倉庫に眠っています。
さて、今日は数学・算数は、「最終的には計算でしょ。」というお話です。
まずは、問題です。
100円の30%はいくらになるでしょうか?(消費税は考えないものとします。)
答えは、30円です。
それでは、次の問題です。
100円の30%引きはいくらになるでしょうか?(消費税は考えないものとします。)
答えは、70円です。
この問題は意外と間違えるのです。
「引き」というところを子供たちは読まないのです。
つまり、最初の問題と同じ「30%」と読み誤ってしまうのです。
では一体、どうしてこのようなことが起きるのでしょうか?
可能性のひとつとして、今の子供達がずっと持ち続け、それを肯定されてきた「価値観」があると思うのです。
それは、「早く出来たほうがいい」、
正確に言いますと、「早く終わらせたい。答えが合っているか、間違っているかは問題じゃない」
といった考え方です。
もちろん、早く終わらせて、遊びたいのです。
ゲームやスマホ、テレビなど遊ぶ道具には事欠きません。
楽しいことは無限にあるのでしょう。
そして、「早い者勝ち」や「早くできるとほめられる」といった
まわりからの評価も大きな影響を与えています。
そして、このような価値観が計算ミスを引き起こしているのです。
「早く終わらせたい」そうすると「ほめてくれるし」いい事だらけだ。
この気持ちが少しでもある限り、計算ミスは直りません。
実はこの計算ミスを直すのは至難の業なのです。
「早く終わらせて遊びたい」⇒「じっくり問題に取り組んでみたい」
「答えが出れば終わりだ」⇒「解けたときや、解けるまでの過程を考えるのが楽しい」
そんな気持ちになるように、「知的好奇心」を呼び起こさなければならないのですから。
それでは、どのようにすれば「知的好奇心」を持てるようになるのでしょうか?
いろいろな方法があると思うのですが、途中経過をしっかり残すようにし、
それを本人に説明してもらうという方法は効果があります。
私は、「どうしてそういう答えになったの?」と生徒に何回も何回も質問をします。
そして、生徒が一生懸命に説明をしてくれたら、思いっ切りほめてあげるんです。
「なるほど、そんなふうに考えたんだね」
「○△さん・くんのその考え方は、とても素晴らしいよ」
「○△さん・くんの答えの中で、一番感動した」
「これを続ければ、ものすごく成長できるよ」
こんな感じで授業中の会話を繋いでいきます。
もちろん、これには指導する側の「質問力」と「ほめてあげる力」が必要不可欠です。
そして、子供たちがきっかけを掴むまで「待つ=忍耐力」も必要です。
また、保護者の方の力で「知的好奇心」が芽生えるきっかけになったことがありました。
お子さんが、「京浜工業地帯がどこにあるかわからないし、どのような産業が盛んなのかも知らない」
「興味が無いから、覚える気になれない」
とそんなことを言い出したそうです。
そこで、保護者の方が、素晴らしい一言と行動力を発揮しました。
「じゃあ、日曜日に京浜工業地帯に行ってみよう」とお子さんを連れ出したそうです。
首都高をクルマで走りながら、
「あれが製鉄所」
「そこで出来た鉄で何を作るの?」
「クルマ!!」
「港が近いから便利なんだよ」
「できたクルマをどうすると思う?」
と、このような会話が続いたそうです。
親子の絆も深まりますし、何よりも子どもの知的好奇心を刺激しますよね。
その男の子は、旧学区の一番手の高校に進学しました。
今日もまた、「知的好奇心」の種を蒔いていきます。
それも、できるだけ多くの種類です。
何がきっかけになるかなんて想像もつかないですから。