故事成語のお話をしようと思います。
さて、「人間万事塞翁が馬」を知っていますか?
「にんげんばんじさいおうがうま」と読めば、
「人間というものは」という意味になります。
ところが、「じんかんばんじさいおうがうま」と読めば、
「世間というものは」という意味になります。
読みかたによって、意味が変わるということは、
人間が長い間営んできた生活の場面場面で、
色々な遣われ方をしてきたことを意味します。
それだけ、人々に親しまれてきた言い回しなのでしょう。
骨折をしてしまいました。
老人は再び、「これは福となるかもしれない」と言うのです。
その後、戦争で男子は兵役で連れて行かれたのですが、
骨折が幸いして老人の息子は兵役を免れ、
命が助かったというものです。
これは、天邪鬼な老人の話ではなく、
「禍福は予測ができないものだ」ということを伝えるものです。
このことから生まれたのが「塞翁が馬」、「人間万事塞翁が馬」の教訓です。
この「人間万事塞翁が馬」には、さまざまな解釈があります。
「幸不幸は予測し難い」、さらには「幸不幸は予測し難いので、
安易に悲しんだり喜んだりするべきではない」という意味や、
「幸運も喜ぶに足らず、不幸もまた悲しむにあたらない」という意味、
また、「幸不幸は予測できず、何が禍福に転じるかはわからない」
という意味にも使われます。