この時期、中学受験から高校受験、そして大学受験のセンター試験と、

今まで積み重ねてきた努力が「結果」として、目に見える形として出てきます。

私から見れば、どれも「過程」であって本当の結果ではありません。

本当の結果とは、社会人として世の中に役に立つ人間になることです。

さて、社会人とは一体どんな存在なのでしょうか?

働くようになるのはもちろんですが、自律できる大人になる事だと思います。

自律とは、自分の人生を自分で決めるということです。

それには、責任というものがつきまといます。

これは、いざ働くようになったからといって、すぐにはできるものではありません。

少しずつゆっくりと、経験を積むことで自律できるようになるものです。

そういう意味では、一番最初の大きな関門は「高校受験」でしょう。

どこの高校に行くのかを、将来を考えながら決めなくてはいけません。

もちろん、将来がはっきりと決まっているなんてことはありえないのです。

しかし、今、その時、精一杯に悩むことが大切です。

安易に答えを出してはいけません。

この「悩む力」があればこそ、将来を切り開くきっかけが見つかるのです。

ここでは、高校進学についてちょっと悩んでみましょう。

普通科高校に進学する⇒大学・短大・専門学校に進学する事が前提です。

実業高校に進学する。⇒高校卒業と同時に就職することが前提です。

普通科高校を受験するのであれば、3年後には大学・短大・専門学校を受験することになるのです。

もっと掘り下げれば、大学等に行かなければ就けない職業になりたいという意志があるわけです。

例えば、学校の先生になりたいという夢があれば、大学・短大で教員免許を取らなければなりません。

つまり、大学・短大の受験をしなくてはなりませんので、普通科高校に進学する必要があるのです。

また、地元の堅実な企業に就職したいという夢があれば、実業高校に進学する必要があります。

この場合は、高校在学中に資格を取っておくのはもちろんなんですが、

評定平均を4.0以上にして、高校の推薦をもらった上で、

希望のする企業の採用試験を受けるのが最善の方法です。

このように、将来この仕事がしたいから、こんな大学・会社にいきたいからといった、

「比較的近い将来の夢」から逆算をして高校進学を決めるべきなのです。

小・中学校は、義務教育ですから、どこの小・中学校も使っている教科書もカリキュラムもほとんど同じです。

ところが、高校は、各高校によって教科書も違えば、カリキュラムや進度も全然違うのです。

3年後の大学受験を最優先に考えている高校と、高校生活を勉強だけではなく、

クラブ活動などを通して充実して過ごす高校とがあるのです。

3年後の進路によって、選ぶ高校が全く変わってきてしまうのです。

高校に進学をするために勉強をしているわけではないのです。

いってみたい大学への進学や将来なりたい職業に就けるように、高校を選ぶのです。

わたしたちまわりにいる大人が、お子さんが将来のことを考えるきっかけをつくってあげましょう。

ご自分が働いている会社では、何を作ったりサービスを提供したりしているのか。

どんな時にこの仕事をしていてよかったと感じるのか。

今まであまり言葉にしなかったことを、ぜひお子さんに語ってあげて下さい。