「確約」がもらえました。
そんな話がよく聞かれる時期になってきました。
さて、「確約」とはいったい何でしょうか?
ポイント① 埼玉県の私立高校が、受験生と保護者に出す「お約束」のことです。
埼玉県以外の私立高校ではこのような制度はありません。
埼玉県の公立受験日は、3月上旬と他の首都圏の公立・私立高校に比べて遅いのです。
そこで、高校生になれる権利を早めに確定して、
安心して公立高校の受験をしてもらう制度なのです。
もちろん、確約は何校でも取れますので、確約を取ったからといって
受験しなければならないことではありません。
それでは、どのようにして「確約」をもらうのでしょうか?
ポイント② 確約の取り方。
夏から入試直前まで行なわれている、私立高校の「個別相談会」に参加します。
まずは、希望する私立高校に電話をしてアポイントメントを取りましょう。
しかし、確約は誰でもがもらえるわけじゃないんです。
私立高校独自の確約を出す基準があります。
一般的なものには、
①内申(学校の成績)
中学3年生の1学期の成績で、5教科で○/45以上で、9教科に「1」や「2」がない。
②北辰テストの成績
直前3回(9月、10月、11月~)の3教科の平均偏差値が○△以上であること。
特に、9月以降の北辰テストの偏差値が私立高校では重視されます。
内申点は中学校によって格差があるものです。
埼玉県内での基準がわかる北辰テストの偏差値が重視される理由の1つです。
個別相談会にはこの2点のコピーを持っていく必要があります。
つまり、3年生の1学期の通知表と北辰テストの成績表は
ご家庭でもコピーをとっておく必要があるのです。
ポイント③ 検定は評価される。
英検、漢検、数検は「確約」にプラスの評価となります。
特に英検は、中3卒業程度が3級ですので、3級や準2級合格者は圧倒的に評価されるのです。
つまり、内申点の英語に「5」がついていても、Aさんは英検のタイトルは持っていない、
Bさんは英検3級合格のタイトルを持っている時には、明らかにBさんが有利なわけです。
それに、3級以上の合格者であれば、公立高校英語の入試問題も70%以上はとれるはずです。
また、私立高校によっては、書道や珠算などのお稽古ごとの級や段位も加点されることがあります。
認定書のコピーも個別相談会に持っていきましょう。
ポイント④ 確約=合格ではない。
それでは「確約」が取れたらば、入試での点数が低くても受かるのかという問題があります。
極端に点数が悪ければ、もちろん不合格になります。
確約はその時点の学力が、入学するまでは維持されることを前提にしているわけです。
「確約」がもらえたら勉強をしなくてもいいということではありません。
ポイント⑤ 安易な妥協はしない。
最後に重要なことがあります。
公立高校が志望校の場合は、確約が取れた私立高校を志望校に変えてしまわないことです。
もちろん、最初から確約をもらった私立高校が志望校であれば問題はないのですが。
お子さんも保護者の方も、高校を早く決めて楽になりたいという気持ちがあるのはわかります。
でもちょっと待ってください。
将来の目標があるから、この志望校に行こうと決めたはずです。
目標を決めてそれにチャレンジすることで、子供たちは大きく成長します。
いきたい高校に入学することが、入学してからも高校生活を充実したものにできる秘訣です。