「先生、受かったよ。」
「それは良かった、おめでとう。」
「今までよく頑張ったな、
自分のことのように嬉しいよ。」
「ずっと先生は心配してくれていたものね。」
「今でも心配はしているんだよ。」
「へへ、どうして?」
「だって、合格した学校は第一志望じゃないじゃないか。」
「そうだけれど、第3志望くらいには入っているよ。」
「まさか、受験終了宣言をするわけじゃないよね。」
「…..。」
「絶対に駄目だよ。」
「どうして?第3志望だよ。」
「大学は最終学歴になるんだよ。
一生、履歴書を書く時につきまとってくるんだから。」
「それに、目標は第1志望の大学に入学することだったよね。」
「それはそうだけれど…。」
「自分で立てた目標を、努力してクリアー出来たことが、
これからの人生に自信を与えてくれるんだよ。」
「言われていることは、わかるんだけれども。」
「じゃあ、何がわからないの?」
「もうこここでいいかなあと思っちゃったんだよ。
受験は大変だし、第一志望に受かるかもわからないでしょ?」
「その気持はよくわかるよ。
受験をし続けるのは大変だよね。」
「それに、進路が決まった同級生たちは遊びに行く相談をしているものね。
それを横目に、自分だけ受験勉強をするのは辛いよね。」
「まあ、そんな感じ。」
「でもさ、4月1日の入学式はいずれみんなに平等に来るんだよ。
その時に、第1志望校にいるのか、他にいるかでは
その後の4年間の大学生活が大きく変わっちゃうんだよ。」
「そんなもの?」
「このちょっとの我慢が、きみの一生を左右するんだよ。」
「騙されたと思って、第1志望校合格まで一緒に頑張ろうよ。」
「わかったよ。」
実は毎年、中学受験から大学受験までよくある話なんです。
子供たちも、保護者の方も早く楽になりたい気持ちがあるのです。
そのような気持ちになることは、理解できるのですが。
ちょっと待ってください。
目標としていたのは何だったのか?
これを問い直してみてください。
目標を決めて、それに向かって努力をすること。
これが受験でも一番重要なことなのです。